鮭の煮付け!

日本の食卓に欠かせない「鮭」は、日本の歴史を語るうえで無くてはならない存在だということをご存知ですか。

 

秋田県南部にある由利地方には子吉川が流れており、この中流域に位置する矢島町では、県の重要文化財に指定されている「鮭石」と呼ばれる線刻の石が多数発見されており、さらにこの近辺では石器や土器も多く発掘されており、およそ2000年以上前にこの地に暮らしていた先住民たちが鮭の豊漁を願い、自分たちの手で刻んだものではないかと考えられています。

また、古墳群が数多く存在する長野県北部にある長野盆地は、千曲川と犀川が合流する地点があり、古代において我が国有数の鮭の産地であったことが明らかにされており、日本人にとってどれほど「鮭」が重要な食糧だったのかが分かります。

特に北海道における鮭の歴史は本州よりも深く、なんと南サハリンを起源とするオホーツク文化最大の遺跡「モヨロ遺跡」から数多くの白鮭やサクラマスの遺骨が発見されており、この地に住んでいた海猟民・オホーツク人 (ギリヤーク族 / ニブフ民族)が、産卵のために戻ってきた鮭を獲っていたと考えられています。